◆ 量は質を変える
いまでは30代前半の出産が最も多い時代になってきました。ちょっと前までは、「高齢出産」というと、30歳以上の出産を意味していたのですから、時代はまったく変わったというべきです。
そうなると、ことさらに「高齢出産」などと言い立てるのもおかしなことのような気もします。もっとも、生理的、医学的、生物学的な観点に立つと、確かに、20代などの出産に比べて、いくつか注意すべき点があることは事実なので、そういう意味で、問題になりそうな点をあらかじめ知識として頭に入れておくことは、それなりに重要なことかもしれません。
しかしながら、基本的には、「妊娠したい」、「子どもが欲しい」と思ったときが、出産適齢期と考えるべきでしょう。50歳、60歳というように、極端に上の年齢になってからそう思うのは、ちょっと遅すぎるかもしれないけれど(出産のタイムリミットは、一般的には、40代前半といわれている)、それより下の年齢なら、思い立ったときが適齢期、と考えるべきです。また、現在、多くの女性が、そのような人生を歩んでいるところでもあります。
実際のところ、女性にとって、20代というのは、自分を確立する時間、自分に何が出来るかを探し求める時間、仕事に熱中する時間、ととらえている人が大多数ではないでしょうか?以前の社会では、学校を卒業して、しばらくすると、「もうそろそろ結婚して、子どもを作らなければ」といった無言のプレッシャーがあったはず。でも、今、ありますか?
現代の女性は、むしろ、自分のスタイルを求めて張り切っている人の方が、同性からも異性からも尊敬されます。そして、そうした活動が一段落したときに、ふと、「そうだ、赤ちゃんが欲しいな」と思うこともあるでしょう。そして、その時の年齢が30歳を超えていた・・・・・・そうです。これが、まさに、現在の多くの女性の置かれている状況ではないでしょうか(ちょっと類型的ないい方で恐縮ですが)。
◆ 35歳以上のママは6人に1人
出産する女性の年齢は、統計を見ても、明らかに上がってきています。1975年では、なんと80%が20代でした。1985年頃には、20代は65%ほどに減りました。そして、今では、出産する全女性の6人に1人が35歳以上になっています。
だから、「高齢出産」は当たり前なのです。特別なことではなくなったのです。医学の進歩、晩婚化、女性の社会進出、不十分な育児環境、といった様々な要因が重なって、出産年齢が上がってきているわけです。そのうちに、「高齢出産」という呼び方も、いくらかの変化を余儀なくされるのではないでしょうか。
40歳を過ぎた女性が、元気な赤ちゃんを抱いている姿は、どこにでもあるとはいわないものの、そんなに珍しい光景ではなくなりつつあります。
人間の生活は、実に多面的な要素で成り立っています。出産についても、ただ単に、生物学的・医学的・生理学的観点からのみ見るなら、より若い年齢で出産することが望ましいでしょう。けれどけれども、赤ちゃんは、ただ産み落とせばそれで完結するのではなく、その後、長い期間にわたって、育て、教育し、社会に送り出さなければなりません。それが人間の子育てです。
そうした観点から見ると、母親の出産年齢が30歳とか35歳を超えていることは、果たしてマイナスの要素でしょうか?そうではないはずです。むしろ、プラスの要素の方が多いはず。経済力も、生活力も、20代の女性より、間違いなく「格上」でしょう。近所や親戚といった人間関係への対応力も、20代女性より手慣れているでしょう。社会一般に対する視線だって、大人の領域に入っている人がほとんどのはずです。そして、こうしたママに育てられる子どもは、どう考えても、幸せではありませんか?
◆ 超高齢出産の波が迫っている・・・・・
上のところでちょっと触れましたが、現在、出産の上限、すなわち、タイムリミットは、40代前半だと考えられています。しかし、日進月歩の医学は、このリミットをじわじわと引き上げつつあるようなのです。たとえば、卵子提供による体外受精等の処置により、閉経後の女性でも妊娠・出産が出来るようになりつつあります。
日本では、ごく最近、50代の女性が、自分の娘の子どもを代理出産したニュースが流れましたね。海外では、60歳の女性が出産したケースも報告されています。確かに、いまのところは、どちらもレアなケースに違いありません。でも、結局は、人間の「願望」の力が物を言うのです。つまり、40を過ぎても子どもを産みたい、50を過ぎてもやっぱり赤ちゃんが欲しい、こうした強い「願望」を抱く女性が存在する限り、出産年齢は少しずつ上がっていくに違いありません。
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(「 高齢出産は当たり前 」の記事 終わり )
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